Q.墨の寿命について教えて下さい。

.使用する膠の強・弱(分子量の大・小)により異なります。
弱い(分子量の小さい)膠程安定な物ですが、煤を練り上げるのに一定の粘度が必要なため、膠の使用量が多くなり、その結果黒味が弱くなります。
強い膠を少なめに用いた場合は、黒味が強くなりますが墨の枯れが早くなります。
当社では一般の和墨造りでは、黒味を強調するため少し強い膠を用い、大和雅墨など淡墨の美しさを強調する場合は、弱い膠を少し多く用いています。
昭和30年代以後は、墨造り技術が進み緻密な造りになっておりますので、和墨造りであっても、人の寿命以上の使用に耐える寿命をもっておりますし、淡墨用造りでは、その2〜3倍の寿命があるものとこれまでの経験から推察しております。
ただ、墨の寿命も生まれてからの環境によって大きく変化します。
湿気の多い所や冷暖房機の風が直接当たる所は墨にとって一大脅威です。
枯れるまでに腐敗したり割れてしまっては何にもなりません。
使用後は水気をふき取り箱にいれて保管されることをお勧めします。