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どうなる日本の美  (ふたたびにっぽん)


 どうなる日本の美 再美日本

 
ひらがなの「え」は、もとは漢字の「衣」からきていますが、小学校で学ぶ書写の手本は20年程前までは左Aのように「え」の底辺部分に段差があり、伝統的な形を守っていました。
 ところが、最近の教科書などではその段差がなくなり、左Bのように活字のような形になっています。そもそも活字は、およそ正方形の枠内にまとめられるため、あえてこの段差はつけられていません。
 文字は伝統的に手書きによる動作が形になってきたものですから、字形を学ぶ手本などが活字のように図形的になりますと却って書きづらくなり、伝統的な美しさへの感覚も薄れてくるでしょう。
 近年、学習漢字を枠内に分割したり、寸法を規定するような研究も見られますが、本質的な課題はそのような「こと」を問うものではなく、文字その「もの」を主体に考えて行かねばなりません。
 日本の伝統文化を学ぶ数少ない教科、国語科「書写」と芸術科「書道」のそれぞれの目的と意義を再考し、さらに生涯において書を学ぶすべての方々のために、今後ともこの「再美日本」シリーズの用具・用材開発を進めて行きたいと考えております。
日本の美に気づき、日本の心を築く、それが日本のすべての文化の伝統と未来を支えていくものと信じてやみません。
                       宇都宮大学教育学部准教授 東京芸術大学美術学部講師
                                         中島宗晧(なかじま そうこう)

 正しく明瞭に書く

左は特に「共」の字形が縦長になっている例です。あらかじめ半紙に名前を書く場所を取れば、文字はさらに縦長になってしまいます。昔から文字は大きく堂々と書くことが良いとされていますが、これでは文字を正しく学ぶことのできる手本とはいえません。文字を大きく堂々と書くことの真意は「正しく明瞭に書く」ということです。




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 保護者の皆様へ
     子供達は筆を選びます
 小学校や中学校で学習する書写は、国語科教育の目標「正しい日本語の学習」の中で、「正しい文字」を知る大切な時間です。
 「文字を正しくていねいに書くこと」を目標に、鉛筆や毛筆を使って学習を進めていくのです。
 ところで、どうして毛筆を使って学習するのでしょうか。
私達は、鉛筆やペンで文字を書く時にも「はねる、はらう、とめる、ぬく」などの動きに注意しますが、これらはもともと毛筆特有の動きなのです。文字が毛筆によって発展してきた長い歴史の中で、今ではほとんど使わない毛筆ですが、「正しい文字」を知る上でこれはまさに基礎的な学習といえるのです。
 「弘法は筆を選ばず」と申しますが、これは空海さんのような達人ともなればのこと。つまり、基本的な技術をもってこそ初めて筆を使いこなせるようになるというわけです。けれども児童や生徒にとっての技術は、正しい文字の形と書き方を理解するために必要な技術で十分なのです。ですから「はねる、はらう、とめる、ぬく」などの動きはもとより文字の形を正しく、また簡単に書くことができる筆、これこそが小学校や中学校で学習する書写の目標に最適な筆といえるのではないでしょうか。
 例えば遠足ならば歩きやすい靴を選びます。子供達が書写を楽しく学習できるためにも是非とも使いやすい用具をお選び下さい。


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