墨運堂              石を彫る 本文へジャンプ
 


印の歴史

 印の起源は古く、中国の殷代代(紀元前1800年〜紀元前1100年)にさかのぼります。

この後、古い厳格な篆書体を守った漢印(6世紀半ば頃まで)から、隋・唐(6世紀末〜9世紀)では、少し柔らかい書体へと変わっていきます。

一方、日本で印が使われた始めた時代は、はっきりしていません。ただ、日本書紀に、持統天皇の6年(692年)に木印1個奏上したと記されており、これが日本での作印第1号だろうと言われています。

701年に制定された大宝律令の中には、印の形式や材料など定めた印制があり、平安時代まで続きました。寺社で使われた大和古印は遣隋使や遣唐使の交流の影響で、柔らかい書体。でも楷書も入り、日本独自のスタイルがあります。現代にもこのスタイルは、八十八ヶ所めぐりの印に生きています。

 これらはすべて、公の印。個人が印を使い、篆刻として書画と共に親しまれるようになったのは、中国でも元・明以後(14世紀〜)。日本には、明・清革命のため、1653年に亡命してきた僧、独立(どくりゅう)や心越によって篆刻が伝えられました。

日本はちょうど江戸時代初期、榊原篁洲ら、当時の一流知識人たちが篆刻を学び、江戸中期からは、文人趣味として大流行しました。

そして現在では、日展にも出展され、書画を引き立てるだけでなく、独立した芸術として認められています。


篆 刻
秦の始皇帝が、字を統一してつくったのが小篆。それ以来店書というと小篆を指します。そして、その書体を印に彫ったところから篆刻という言葉が生まれました。けれども現在では、篆書以前の古文、隷・楷・行・草・仮名・ローマ字など、さまざまな書体が彫られており、篆刻は、印を彫ることの代名詞となっています